世間の思いが届きつつあるのでしょうか。
東京都・池袋で起きた、
高齢者による暴走運転で母子2人の命が奪われた事故。
この事故の運転手だった・飯塚幸三さんが、
やっと・・・やっと書類送検されるそうです。
飯塚幸三さんも最近コメントを発表し、
話題を呼んでいたりと未だに世間を騒がせているこの事故・事件。
被害者、遺族にとっては事件が解決することはないでしょうが、
書類送検されることで一つの区切りになることは間違いないでしょう。
ここでちょっとおさらいしておきたいと思います。
池袋暴走事故おさらい
2019年4月に東京 池袋にて凄惨な交通事故が発生しました。
乗用車(プリウス)が暴走して歩行者などを次々にはね、
そのうち横断歩道を自転車に乗って渡っていた、
松永真菜さん(31)と長女の莉子ちゃん(3)が死亡。
その他、10人が重軽傷を負ってしまいました。
乗用車を運転していた人は、旧通産省の幹部だった飯塚幸三(88歳)。
当初、警視庁の調べに対して「ブレーキを踏んだが効かなかった」と
供述していたそうです。
その後警察の調査で、車に不具合はなく、
ドライブレコーダーの記録などから最初に接触事故を起こしたあと、
ブレーキをかけずにアクセルを踏んでいたことがわかったとのこと。
運転手・飯塚幸三とは何者?
プロフィール
名前:飯塚 幸三(いいづか こうぞう)
生年月日:1931年6月1日生まれ
出身地:東京大学理科I類 卒業
就職先:通商産業省工業技術院
数々の肩書
- 東京大学工学博士
- 計量研究所所長
- 工業技術院長
- クボタ取締役(常務、専務、副社長)
- 国際度量衡委員会副委員長
- 日本計量振興協会会長
- 計測自動制御学会会長
- 精密工学会(旧 精機学会)名誉会員
- 日本軽量史学会理事
- 国際計測連合(IMEKO)会長
- 日本工学アカデミー副会長
- 日本工業標準調査会副会長
受賞
- 1970年度 – 精機学会 第4回青木記念論文賞
- 1975年度 – 精機学会 第9回青木記念論文賞
- 2003年度 – 計測自動制御学会功績賞
- 2015年秋 – 瑞宝重光章(通産行政事務功労による)
すさまじい肩書、受賞歴ですね。
ここまでくると、社会への貢献度も半端なく、
社会的信用も高かったといえるでしょう。
飯塚幸三の事故後の反応や行動
事故直後
事故直後、飯塚幸三はあろうことか、
救急車、警察への連絡よりも先に、
自分の息子へ連絡を取っています。
そこで息子には以下の指示をしていたとみられています。
・フェイスブック・ツイッターのアカウント削除
・携帯電話、自宅電話の解約
・ストリートビューの自身の家にモザイク
・ウィキペディア 編集をロック
人命救助よりも先に、
自分の保身を考えた行動を取っていたことになりますね。
この行動が世の批判を浴びる原因となっているのは間違いありません。
事故後、数日~数週間
事件後、(けがは確かにしていたので)即入院となった飯塚幸三。
警察関係者立ち合いの元で行われた現場検証の際、
「車のブレーキが利かなかった」と、あくまで自分の運転には問題なかったと供述。
結局、警察の調査によって車には問題なかったと判明したことから、
この発言でも批判を浴びる形に。
現場検証の態度一つとっても、
杖をついて歩いている様子が報道されていました。
人が亡くなった現場を目の当たりにしても、
・手を合わせることもない
・花も持ってこない
・杖で人や場所を指すなどの横柄な態度
といった、あまりにも反省する態度が見受けられませんでした。
これでは世間の批判は避けようがありません。
入院中、警察は飯塚幸三を逮捕できないことになっています。
さらにいえば、メディアは逮捕されていない人に対して、
○○”容疑者”と報道することができないのです。
それに伴って、飯塚幸三”さん”や”元院長”といった、
敬称をつけて報道せざるを得ないのです。
こういった報道、逮捕されない現状、動かない警察へも、
世間のいらだちは募るばかりでした。
このころから飯塚幸三に対して”上級国民”、
”上級国民だったら人を殺しても逮捕されない”といった意見が出るようになり、
飯塚幸三=上級国民というレッテルが貼られることになります。
事故から数か月 19年11月のコメント
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事故が19年4月に起き、
19年11月に改めて警察は飯塚幸三を書類送検する方針を固めました。
そのときに改めて取材をされたところ、以下のように供述されています。
自分の体力を過信していた。
おごりがあったのかなと思い、反省しております。
その当時は自分の体力に自身があったんですけど。
おわびの気持ちをずっと持ち続けていることをお伝えいただきたいと思います。
TBS NEWS より リンク先はコチラ
反省のコメントを出すまでに、半年もかかりますか。
正直なところ、遅すぎるのではないかと。
ただ、これだけで供述が終わっているのであれば良かったのですが、
その後に問題発言・・・。
安全な車を開発するようにメーカーの方に心がけていただき、
高齢者が安心して運転できるような、外出できるような世の中になってほしいと願っています。いつも申しあげているように、本当に被害者に方に申し訳なく思っております
TBS NEWSより リンク先はコチラ
ーなんなんだ?この発言は?-
病気がちで手足をまともに動かせない、
杖を使わなければ歩行もままならない、
こんな人が、自分自身のアクセルとブレーキの踏み間違いが原因で起きた事故。
なぜ、このような状況で、
未だに車の性能が~どうのこうの、と言えるのか。
上から目線の意見に、神経が全くわかりません。
高齢者が安心して運転、外出できるような・・・?
あなたのような方がいるので、
お子さんを連れた保護者の方々が安心して外出できないのですが?
反省の言葉を述べていますが、
本心では全く反省しているようには思えません。
多大なる署名後やっとのことで書類送検へ
署名活動
これだけ世間が騒いでおり、
いまだに逮捕もされないとなると、
署名活動が起きるのはある意味当然の結果かなと。
2019年7月には妻と子を無くした33歳の夫によって、
加害者への厳罰を求める署名活動を始められました。
その結果、飯塚幸三の起訴を求める要望書の署名がなんと39万筆も寄せられるように。
その後、遺族の会見では、
「皆さまの署名、思いが無駄にならないよう、
速やかな起訴をお願いする要望書もともに提出させて頂きました。
重要なご報告や発信は、ブログ更新でお知らせさせて頂きたいと思っています。
約2カ月間、署名活動へのご協力、誠にありがとうございました。
遺族を代表して、心よりお礼申し上げます」と述べられました。
この活動は報道でも取り上げられ、
遺族がどれだけ無念だったか、どれだけ悲しい思いをしたかが伝えられました。
自動車教習所の中には、今回の事故を題材に学科講習を行っている所も増えてきているそうです。
書類送検されたらどうなる?
さて、書類送検への見込みが出てきましたが、
これで事件が解決、とはいかないのが難しいところ。
そもそも書類送検(しょるいそうけん)とは、
被疑者(犯罪の疑いのある人)で、身体拘束されていない者の
事件記録や捜査資料を検察官に送る手続のことをいいます。
ここでいうところの飯塚幸三なんか、モロに該当しますね。
逮捕との違いは、
逮捕は被疑者の身体(身柄)を拘束しますが、
書類送検は、身体の拘束がされていない被疑者の事件の処理を行います。
書類送検を受け取った検察側は、
その案件について”起訴”するかどうかを判断しなくてはなりません。
要は、”罪を犯した”と判断するかどうか、ですね。
またその過程で、必要であれば警察側は逮捕状を交付し逮捕する場合もあります。
検察機関によって、
この案件は”起訴”するべき、との判断が下った場合、
弁護士と検察官との間で裁判が行われ、罪の重さ・刑罰を決定していくことになります。
流れとしてはこんな感じですので、
飯塚幸三が書類送検されるとなると、
この事件・事故に対して、
やっと司法機関が動くことになったといえるでしょう。
39万筆もの署名が集まり、
有罪判決、罪の償いを望んでいる方々が大半の中、
検察側が飯塚幸三を起訴するのか、
裁判官はどれだの刑罰を言い渡すのか、
とにかく今後の動きに注目していかなくてはなりません。
まとめ
いかがでしたか?
こんな凄惨で悲しい事故は二度と起きてほしくありません。
また、”上級国民”などという言葉が起こってしまう日本の在り方、
政府や警察関係者の在り方も見直してもらいたいものです。
とにかく、やっと動き出そうとしているこの事件・事故。
国民が平等に裁かれ、刑罰に服すといった当たり前のことが、
当たり前に実施される世の中になってほしいですね。
これで遺族の方が救われるとは思いませんが、
一つの区切りになっていけばいいかなと思います。